ゆびきり
交通課に書類を持って行くと、見慣れた人が受付に居た。

「あれ?美智さん?」

「たっくん。おひさしぶりです。」

美智さんはペコリとお辞儀した。

「たっくんって警察庁の方だったんですか。びっくりしました。」

「でも、希望して地方に行ってたから、他のキャリアより遅れてるんですよ。今度やっと警察大学校に行くんです。」

「たっくんなら大丈夫ですよ。」

美智さんはそう言いながら、手に持つ小さなバックの中を見た。



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