ゆびきり
中学生という制服に身を包んだ僕らは
確かに一歩踏み出し歩き続けていた。


まだ振り返ることは知らない。



未知の世界への好奇心だけが心を占めて
この世界には、前に進む道しかないんだと
思い込んでいたんだよね。



僕たちの後ろにも
しっかり道が出来ていたことに気がつくのは
まだずっと後だった。

もっとも
それくらいの勢いがないと
道をどんどん進んでいくなんて出来ないんだけど。








初めての制服。

僕たちを少し大人にした。





これからも制服は僕たちを包み込む

目に見えなくても
立場や地位に姿を変えて

それを身にまとった僕たちは
それらしく見えていくんだ。



そして
いつしか、それを脱ぎ捨てることが出来なくなっていくんだね。








たとえ


大事なものを見失ったとしても。






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