ばーか。

花歩side



「あ〜花歩ー」
「奈津!ごめん、待った?」
あのあと。
蒼井君とはちょこっとだけ話して帰って来たんだけど。

もう授業始まっちゃう!


「ううん〜。それより、さ、花歩。」
「え?」


「蒼井と、二人っきりで話してた?」


「…!!」

あれ…見られてたの!? でもなんで…?
鍵がないと屋上行きの階段より上に行けないのに…


「えーと……まぁ、うん…てゆうか、誰情報?!」
「それが…噂ちらっと耳に挟んだだけなんだよね」
「…そんなに広まってるの?!」
「うーん…あたしもわかんないけど…。」

やばいかも…

だってあの蒼井君。
その相手は…
こんな可愛くなーい女。

蒼井君のこと好きな女の子の反感買いまくりだよね。


どーしよ…

「だれが話してた?」
「えっと…D組の…井ケ田さん」
「井ケ田さん…ってあの」「ぁ…うん」


井ケ田一美ちゃん。
とっても可愛いんだけど、ちょっと気が強いらしい。
で、うちのクラスの高倉君のことが大好きって有名な話。


「なんで井ケ田さんがしってるんだろ…」
「ね。ちょっと怖いね」

あとで、蒼井君にも聞いてみようかな。
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