ばーか。

ほんとのキモチ



「奈津、おはよ」
「おはよ。元気なったんだ?」
「へへ…ありがとね。」
「にしても…」
「ん?」
「話しかけないで、って…どーゆうことだろ」
「…んー、ねー…。」

どーゆうこと…

たぶん、
ウザイからもう会話したくない、ってこと。
でしょ?


「だってさぁ、他のコが話しかけてるのは、ただスルーしてるんだよ?」
「うん…」
「やっぱ、花歩はなんか特別なんだね」
「うーん…」


そんな都合いいこと…
あるわけないよ。
ありえないよ…


「だからさ、花歩」
「ん?」
「今日も昼休み、屋上行きなよ?」
「…うーん…」


正直、行きたくない。
蒼井君の、
ほんとのキモチ。
見たくない。
知りたくない。

第一、彼女がいるんだから、あたしなんかが特別なわけない。

わかってるよ。だけど。 …やっぱり、見たくないの。


「花歩、それじゃぁいつまでもすすめないよ。」
「…」
「ちゃんと恋するんじゃないの?」

…そうだ。
勇気ださないとだよね。
ちょっとは
自分で歩かないと。



「奈津、あたし、昼休み屋上行くね」
「うん!頑張って!!」

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