手に入れるためなら



「はい」


私はドアを開けると、
旦那様がいた。


旦那様の手には薄い冊子が。


「旦那様、どうなさいました?」


「晃に用事があったのだが、
ここにはいないみたいだな」


「はい。晃様は涼香様の部屋に
いらっしゃいます」


「…そうか」



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