マジカル☆ジュエルス

その頃、病室では
小梅の母は娘を待っていた。

もうそろそろ彼女が来る時間だ。

そう思いながら待っていると、
突然窓から強い風がビューっと
吹いてきた。

長い髪の毛が乱れてしまう。

母親は窓の扉を閉めようとした。
すると、誰かがそこにいた。

黒いマントを覆った
自分の娘と同じぐらいの少年。

少年は不気味に微笑みながら
近づいてきて、人差し指を
母親の額に当てた。

「もっと気持ちよくしてあげようか?」

そう言うと、母親は意識が朦朧(もうろう)
としてきて、そのまま静かに倒れてしまった。

そして少年は何も言わず、
母親を連れて去ってしまった。


数分後、娘の小梅が病室にやってきた。

「ママ来たよ」

しかし母親の姿はなかった。
真っ白でクシャクシャのシーツと布団。

そして開けっ放しの窓から漏れている
風の音だけが病室に鳴り響いていただけだった。

「ママ…?」

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