マジカル☆ジュエルス

「海野さんっ」

手を振って呼んでみたら
気づいてくれて、手を振りかえしてくれた。

ひかりも彼女の近くに寄る。


「弟くんのお迎え?」

「うん 帰りのついでに。
 でも…」

「でも…?」

「何か静かすぎない?」

「え?」


確かに静かだった。
普通は園児たちは元気いっぱいだから
一日中園児たちの楽しそうな声がするはずだ。


「誰もいないんじゃない?」

「いや…そんなはずはないと思うけど…」


誰もいないなんてありえない。
こんな静かな幼稚園、不気味だ。


「ひかり、ひかりっ」

ひかりのかばんからこっそりとセイラが
顔を出し、ななこに気づかれないよう
小声で呼ぶ。

「何か変な気配がする…」

「気配…?」

「とりあえず中に入りましょう」



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