《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜
この後自分がどうなっ
ちゃうのかも、あたしには
想像もつかない。



もしかしたらこのまま気を
失って――起こったこと、
全部忘れたりして。


そんなふうにさえ思えた。



「あ…………!」



また口をついて出る、
自分のものとは思えない
ような切なげな声。



だって、ね――どーしよう
もないんだ。



あたしを狂わす玲斗の
手は、強引なくせに時に
妙に優しくて。



……その優しさにあたしの
体と心はキュッと締めつけ
られて、どうしても声を
我慢できないの。



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