【短編】2度目の初恋
きっかけ
「ぜっっっっったいに!あした!!!」


机を思い切り叩き、それを反動にして身を乗り出す。
こんなに腹が立ったのは生まれてこのかた一度もない。
八つ当たり相手に顔面を近づけ、前のめりの体勢のまま声を張る。


「『ギャフンッ』といわせてやる!!!」


『堪忍袋の緒が切れた』とはこういう場面で使うのだろう。



もう我慢ならない!


ぜったい負かす!




鼻息荒く、どすどすと音を鳴らして廊下に出る。
娘のそんな姿を見ても、冷静に「がんばって」と一言添えるだけの母親。
その声援さえも聞こえない。
明日、どんな言葉で言い負かしてやろうかとトイレで対策を練る。
頭の中は憎っくき“宿敵”のことでいっぱいだった。




もぉぉぉおおおおおおおおお!!!



なんで私だけ!!!


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