おばあちゃんとぼく
おばあちゃんとぼく
ぼくは、よくフラフラと旅に出る。
旅先で出会う人達がいるから。

ぼく今日も拾われた。

おばあちゃんだった。

優しそうで、しわしわのニコニコかわいい笑顔を、ぼくに向けてくれた。

「あらあら、こんなところで」
そう言って、ぼくを抱っこしてくれたおばあちゃん。
ぼくもおばあちゃんにお礼のキスをしてあげた。

「そうかい、そうかい、嬉しいねぇ」
また、ニコニコしてくれる。

おばあちゃんはぼくを家に連れて帰った。

おばあちゃんは家に着くと、さっそくご飯を用意してくれた。
ぼくの尻尾はキスの代わりにフリフリしている。

「わんちゃんが来てくれたから、おもてなししないとね」
そう言って、ぼくの背中をなでなでしてる。

ぼくは気持ちよくて、思わずゴロン。
お腹を見せると、おばあちゃんはお腹をなでなで。
気持ちよくって、ご飯のことなんて忘れちゃってた。

おばあちゃんは、すごく優しかった。

ぼくは少し恥ずかしかった。
おばあちゃんは、ずーっと、ぼくがご飯を食べるのを
あのしわしわの笑顔で眺めていたから。
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