桜の花びら舞う頃に
そして玲司は、香澄に目を向けた。



「お久しぶりですね、香澄さん」


「うん、玲司くんは相変わらず元気そうね」



香澄と挨拶を交わしあう玲司。


その様子に、さくらは首をかしげた。


「2人は……知り合いだったの?」

「ああ、由梨ちゃんの葬式の時にね」

「ふ~ん……」


そう答える玲司に、麻紀は冷たい視線を送る。



「玲司って……女性の知り合い、多いよね……」

「バ……バカ! 違うって! 香澄さんは、そんなんじゃないって!」



麻紀の言葉に、玲司は慌てて弁解した。



「ふ~ん、香澄さん……は、ね……」

「ち……違うって!」

「実は……私、玲司くんに……無理やり……」



場の空気を読んだ香澄も、ふざけて泣き真似をする。



「か、香澄さんまで!?」

「アタシの時も、そうだったよ!」



更に、エリカまで参戦した。



「最低だな、三上 玲司」

「うん、最低よ、三上 玲司」



そして最後に、悠希とさくらが締める。



「お前ら……そんなに、俺をイジるのが楽しいのか……」



がっくりとうなだれる玲司。



「よしよし~、大丈夫だよ~」



そんな玲司を、拓海だけは優しく抱きしめるのだった。












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