桜の花びら舞う頃に
「い……いやいやいやいや!」


「それはないでしょ!」


「うん、まさかねー!」


「だって、有り得ないもんね」


「大崎って、僕のクラスにもいるよー」


「はーい、他人決定!」



笑い合う6人。


その向こうのエリカは、1人ぷるぷると震えている。



「アンタたち……」



エリカは、怒りのこもった視線を6人に向けた。



「アタシを、何だと思ってるワケ!?」



その瞳でニラまれた者は、即座に石化してしまう。

そんな気迫のこもった瞳だった。


「いや……だって……なあ……」


玲司は、他の5人に同意を求める。

他の5人も、深くうなずいた。

その様子に、エリカは深いため息をつく。



「ったく……悪かったわね、そのまさかで!」


「……えっ!?」


「そうよ、大崎グループの初代会長、大崎 源一郎は、アタシのおじいちゃんよ!」


「ええええっ!?」



辺り一面に、戦慄が走り抜けた。



「エリカが……あの大崎グループの一族って……」

「似合わな……」

「うるさい、バカ玲司!」

「おごっ!!」



エリカは、鋭いヒールで玲司の足の甲を踏み抜いた。

もんどりうって、倒れる玲司。





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