桜の花びら舞う頃に
第40話『Kiss』
窓から入り込む朝日に照らされて、机の上に置かれた写真立てがキラリと輝く。


その中に飾られた写真には、前列に3人、後列に4人の男女が写っている。


由梨の墓参りの時に、皆で撮影した写真だ。




前列に位置取る3人。


悠希、拓海、さくらは、お互い体を寄せ合い満面の笑みを浮かべている。

それはまるで、幸せに包まれた家族のように見えた。




対する後列。


左側に陣取る女性2人。

香澄とエリカだ。


腰に手を当てる香澄に、腕を組むエリカ。

その表情は、2人とも眉間にシワを寄せ不機嫌そう。




そして、その隣りの軽い感じの男。


玲司である。

彼は苦悶の表情を浮かべ、宙に飛び上がっていた。


それも、そのはずだろう。

香澄とエリカに、足の甲を思いっ切り踏みつけられた直後なのだから。



2人が不機嫌な表情を浮かべている理由。

それが、玲司にあることは一目瞭然だった。




そのやり取りを見守る、玲司の隣りに写る女性、麻紀。


麻紀は額に手を当て、ため息をつくようにうつむいている。




幸せな前例と、争いの後列。



その様子は、見る者の脳裏に深く焼き付くものだった。







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