桜の花びら舞う頃に
第41話『向日葵のように』
「もしもし、どうした?」



優しい声で話す悠希。


「俺の時と、声が全然違う……」


隣りの玲司は、自分の時と電話の対応が違うことに不満を漏らした。

しかし、悠希は聞こえないふりをして、話を続ける。


「……うん、そうだよ。玲司くんと一緒」


言いながら、チラリと助手席の玲司に目を向けた。

玲司は、微笑みながら手を振る。


「……え? いや、そんなことないよ」

「……無視かい」


相手にしてもらえず、大きくため息をつく玲司。


「えっ、今から?」


悠希は、チラリと車内の時計に目を向ける。


「いや……大丈夫……」


そして、悠希は大きくうなずいた。


「わかった、行くよ」


そう答え、電話を切る。





< 318 / 550 >

この作品をシェア

pagetop