桜の花びら舞う頃に
その夜……

午後7時15分。

仕事を終えた悠希は帰路に着いていた。


いつもならまだ会社にいる時間だったが、今日は拓海の初授業の日だからと、香澄に上
がるように言われたのだ。


「いや、昨日、休ませてもらいましたから」


と、断る悠希だったが、香澄は首を縦に振らなかった。


「た~ちゃん、いっぱい話したいことがあると思うから」


と、言い、香澄は引き下がらない。


こういう時の香澄を説得するのは一苦労だった。

しかし、拓海のことを考えると、やはり帰ってあげるのが良いのだろう。

今回は、香澄の言葉に甘えさせてもらうことにした。


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