天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
俺達の視線を感じたのだろうか。不意に片桐チーフが顎を上げるようにして俺に視線を向けてきた。


「中島君」


「は、はい」


「もうすぐデザイナーが来て打ち合わせだけど、あなた忘れてないわよね?」


「あ、はい。もちろん」


ヤッベー、忘れてた。


「資料は大丈夫ね?」


「ああ、はいはい。今最終的に揃えてるところでして……」


俺が立ち上がってアタフタしていると、

「がんばってくれよ?」

と、武田は俺の肩を叩いて行ってしまった。


ん?

“がんばれよ”じゃなく、“がんばってくれよ”?


どういう意味だよ……


< 266 / 388 >

この作品をシェア

pagetop