龍とわたしと裏庭で【初期版】


新しい生活にも慣れ、友達なんかも出来たりしたわけだけど、右見ても左見ても羽竜の縁戚、姻戚だらけな気がする。

放課後、一緒にアイスクリームを食べに来たメンバーの中にも二人ほど。

「うちはおばあちゃんが羽竜家の人なの」

と、美幸が言った。

「亜由美んちはもっと遠縁だったよね」

「親戚の集まりに出なくていいくらい遠いわ。ラッキーにも」

ははは ラッキーなんだ

「いいなぁ。おばあちゃんの法事の時大変だったよ。校長はいるわ、本家の大奥様はいるわ。ママは気絶しそうなくらい気張ってるわ――志鶴は大変ね」

「ん~確かにちょっと堅苦しいとこはあるけど……休みの日、お昼まで寝てられないしね」

そりゃそーだとみんながドッと笑う。

でも、こんなふうにしていられるのは嬉しい
親父と二人っきりの時は家事に時間とられて遊べなかったもの

「闘龍の練習はうまくいってる?」

「上達したとは思うんだけど、竜田川さんには勝てないんだろうな」

「いいじゃん。昨日今日始めて勝っちゃたら、ずっとやってきた子がかわいそうでしょ」

「うん、そうも思うんだけど、あの子ってどうしてか知らないけどすぐ突っ掛かってくるでしょ?
つい頭にくるんだよね」


みんなが顔を見合わせた。

えっ 何? 何かあるの?


「志鶴、ホントに知らなかったんだ」

美幸が言った。

「……あの子、圭吾さんの元カノの妹だよ」

「そうなの?」

まあ圭吾さんのルックスなら元カノの四人や五人いそうだけど

「高校の時からずっと付き合ってたから、結婚するんだろうってみんな思ってたんだけどね。あっさり別れちゃったし。あの子圭吾さんの妹気取りだったからなぁ」

「今ではわたしが妹気取りでムカつくって事か。ヤキモチだったんだ」


また、みんなが顔を見合わせた。

えっ 何? 今度は何?


「志鶴、あんた自分の状況分かってないんだ」

亜由美が気の毒そうに言う。

「うちらの親たち、あんたのこと羽竜家の嫁として連れて来られたと思ってるよ」


はぁ? 何それ?

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