青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
うっわぁあ、去年と同じパターンきたんだけど。
てことはなにか?
また地味組のやきもきB級恋愛青春物語を見守らなければならないと?
しかも気付かれないように?
冗談抜かせな話である。
それで去年、散々やきもきしたというのに、またあのやきもきが復活するなんて。
だがしかし、チームのお局(つぼね)さまはやる気らしい。
「ちゃんと見守ってやるからな」
可愛い妹分に声援を送っていた。
ということは?
「あーあーあ…、メンドクセェことになってきだぞ。クソッ、ケイの奴。なんだって面倒事を運んでくるんだ」
舎弟の面倒事に嘆く舎兄だが、「諦めるしかないっぴょーん」だって響子ちゃーんがやる気なんだから、ワタルに促されてガックシ肩を落とした。
「んじゃあ。出来たら連絡するから、堤さん」
「だから先輩。ひなのですってー! またS心を発揮してくれているんですか?」
ケラケラと笑うひなのは「待ってます」ケイに手を振り、軽快な足取りで駆け出す。
ケイはといえば、「あーあ」俺って人が好い、メモ紙に目を落として溜息ばかり。
戻って来るケイに、「ココロ」アタックだと弥生がこそこそ助言。
こくこく頷くココロは、よしと気合を入れてBダッシュ。文字通り猪突猛進で彼氏の下へ。
「うわっつ?!」
「うわわごめんなさい!」
気合を入れすぎたせいか、前を見ていなかったケイと正面衝突したらしくぺこぺこと謝っていた。
「どうしたんだよココロ。心配しなくても、俺、浮気なんてしてないぞ?」
ポンポンっとケイがココロの頭に手を置いて気を落ち着かせている。
空気を読んでくれているらしいが、読み過ぎるのも難点である。