一途に IYOU〜背伸びのキス〜
デザートの食後に



合鍵で部屋に入ると、椋ちゃんはもう帰ってきてた。


「おかえり」
「ただいま、椋ちゃん。
ご飯……作ってくれたの?」
「ああ。ありあわせで悪いけど」


リビングに行くと、キッチンには椋ちゃんの姿があって。
テーブルには、ほかほか湯気を立ててるチャーハンとコンソメスープ。

チャーハンに入ってるのは、ちっちゃいむきエビ。
一緒の価値観が嬉しくて、思わず顔がにやける。

……もう、料理教室を飛び出した時からとっくににやけてたんだけど。



「料理教室、どうだった?」


椋ちゃんの作ってくれたご飯を食べて、デザートにはお土産のアイスを食べて。
その後は、ソファに座りながら、温かい紅茶。

なんか、新婚さんみたい。
そんな事を思ってうっとりしてると、椋ちゃんが現実に引き戻すような事を聞いてきた。


< 257 / 342 >

この作品をシェア

pagetop