甘い声はアブナイシビレ
 私の同僚、佐藤知穂。

 彼女は、私と同じ年の22歳。入社してからずっと親友だ。

 歯に衣着せぬ物言いの知穂に、黙々とただ仕事をする私。

 自分の仕事以外の事が回って来ても、断ることはなかなか言えずに、結局他の仕事もやる羽目になってしまう私の代わりに、知穂はズバッと周りの人に言い切って、私の余分な 仕事を元の人にサラッっと返す。

 そんなキッパリ言える知穂に憧れている。
 知穂は知穂で、私の仕事ぶりを尊敬してくれているみたい。

 私は社交的な方ではないし、人と話すよりかは寡黙に仕事をしていく方が楽だから、仕事は必然的に、自分のノルマ以上の数をこなせている、だけなんだけどね。

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