悪魔が笑うから


そんな彼のどこに惹かれたのか。

それは自分でもよく分からない。


捨て犬を拾っているところを見たら実は優しいところが好きと言えるし、困っている人をそのままにしてれば自分の事は自分でやれ精神がステキ!とでも思うだろう。


「私、トイレ行ってくる」


悪口言われてるのはいつもの事だけど(一部で英雄化説アリ)、やっぱりあんまり聞きたくない。

ミラーを持って化粧室に向かう途中で、向こうからやってくる誰かにぶつかった。


「ごめんなさいっ!・・・長谷川くん」


ぶつかったのは、長谷川 瑛だった。


「前見ろ」


それだけ言って教室に戻って行った。


無愛想。


< 3 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop