HAPPY RING
「会いたかった…。和沙…!」

「…うん…。俺も…」

 そう言って和沙はそっとキスをした。

「…襲われる寸前にたどり着けてよかった…。大事な彼女が襲われてるの見て余裕なかったな」

 あたし、危なかったんだ…。

 和沙が来てくれてよかった…。

「優…左手出して目、瞑って」

 あたしは言われたとおり手を出した。

 和沙の長い指が優しく触れる。

「いいよ」

 そっと目を開くと…左手の薬指には…王冠のシルバーリング…。

「婚約指輪ってことで」

「婚約…?」

 なんで婚約?
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