いとしのポテトボーイ
「・・・安土のこと、もっと心配してやれよ。俺はこの噂、迷惑なんだよ」

「雪沢クン・・・」

雪沢クンはバス停の時刻表と自分の腕時計を見比べながら、

「行ったばっかりじゃねえか」

と、不機嫌そうに呟いた。

最近の雪沢クン、なんだか気が短い。

「だから歩いて帰ろうよ」

わたしと雪沢クンの家は近いわけじゃないけれど、乗り換えのバスターミナルまでは同じ方角。

学校からバスターミナルまで歩けば30分ほどかかる。

雪沢クンは渋々歩き出した。

わたしと一緒にいること、そんなに迷惑なのかな。

悲しいな。
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