あの日の僕は。

僕と卓志













仕方ない。


「オセロ持ってきたんだ!やろう!」


部屋に入り、卓志がカバンからオセロを取り出した。


「通常サイズじゃん。持ってくの大変だったろ」


「まぁな!」


真ん中に白と黒を並べる。


「じゃぁ僕黒ね」


そう言い、白の右に置いて黒にした。


パチッという音が速く、軽快に流れる。


角をとるのも大事だけど、端をとるのも大事。


焦らずとってこう。








「……っあー!角ぉ!」


卓志が叫ぶ。


「落ち込むのはまだ早いよ」



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