あの日の僕は。



母さんは少しでも気付いてくれた。


肩に生ぬるい液体がかかる感じがする。


でもそんなことはどうでもよかった。




「母さん、ありがとう。本当にありがとう」


僕も母さんと同じ様に涙でぐしゃぐしゃになっていたから。











正直、いつもいつも小言を言う母さんが嫌いだった。


僕の好きにさせてくれよって。


僕は母さんの操り人形じゃないって。


だけど、母さんが小言を言うのは僕を心配してるから。



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