あの日の僕は。



しかし、海里の表情はあまり浮かないようで。


「そんなに悩むこともないと思うけど……」


僕は小さく呟いた。


でもまぁ、悩みは人それぞれだから。


しかも0.1秒が命取りになる時もあるし。








「こりゃー俺達の陸部、惨敗確定だな!」



「卓志、笑顔で言うセリフじゃないだろ」


「だって俺が走るワケじゃないし~?」


だけどお前の友達は走るんだろうに。


そう言おうとした時。





「…………あ……」




見慣れた姿が校舎にあった。













< 192 / 232 >

この作品をシェア

pagetop