あの日の僕は。



「……なんでですか」


「美弥子、スパルタだろ?」


海里父が同意を求めるように僕に笑いかける。


「はい、まぁ。今はそんなでもないですけど」



「美弥子は子供に厳しく接しようとしていた。その方が子供の為だから、と」



「あいつ英才教育で育ったからさ」と海里父は付け足す。



「逆に俺は自由に、のびのびと子供の好きなように育てたかったんだ。趣味とか一緒だったのに、重要なことが真逆だったんだ」



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