《致死ノベル》


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早速、私が仕掛けた2つ目を、述べさせていただこう。

それは、催眠暗示だ。

ひとは単調な行動をしていると眠くなる。脳が慣れてしまうためだ。

ページを捲るという単調な作業を、読者に行わせることで、当人へ眠気を引き寄せた。

それにより暗示にかかりやすくなった脳は、私の書いた携帯小説を、直前まで目から受け取っていた。

意味のない言葉の羅列を。

文字を追って読むのを放棄しつつ、それでも最後まで捲ってもらえるかどうか。そこだけはどうにも考えつかなかったので、今後改良していけたらと思う。

さてこれらの仕掛けにより、私が実験したかったことは何か。

それはサブリミナル効果である。

人に知覚されないように挟みこむ手法を用いて、何か効果が現れることを期待した。

映像でなくとも、目に入ってくる文字を画像のように捉えれば、効果が現れるのではないかと思ったのだ。

いかがだったろうか。

因みにアトガキへ付け足したのは、おまけである。

サブリミナル効果を期待し模したという全容が解明出来ても、私の実験はまだ続く。

解けても、とまらない。


おつかれ


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