14日の憂鬱
加奈子に誘われて入った野球部だったけど。



野球のことまだまだ全然詳しくないけど。



少しずつ野球の楽しさを知って、夏の大会、負けて悔しかったから。



秋の大会はみんなで勝ち進みたいから、練習頑張って。




私にできることなんてささやかだから、球拾いや磨くことに精を出しているのに。






先輩のたったその一言に、腹を立てるよりも悲しくなって、俯いてしまったその時。


永井が走り出して私の横を通り過ぎた時だった。





「……待ってろ」






え…?




永井の一言が聞こえたかと思うと永井は先輩に走り寄り、先輩の肩口を掴んだ途端にその頬を殴りつけたのだった。


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