14日の憂鬱
すると、涙がジワリと浮かんできた。



「どうして……っ?!」




胸元を掴む指先に力がこもった。





涙が流れていく。それがものすごく温かく感じた。



「私、ちっとも嫌じゃなかったんだよっ!それどころか…っ」



永井の胸元をドンドンと私の拳が打つ。


「すっごく…嬉しかったのに…っ!なのに…いきなり、帰っちゃって…」



この悔しさを必死で伝えようと胸元を叩き続けるけど、泣いているせいか力が徐々に薄れていった。




「しかもあれから何となく気まずくて……っ」







ああ。


やっぱ、永井と二人だけの時の私ってどうかしちゃってるよ。


ヒステリックになったり、どさくさ紛れにコクっちゃって。





ただ憧れだけだと思っていたのに、あんたが…キスするから。




好きだと分かってはいけないと、必死に気持ちに気づかないようにしてたのに。




誰かに盗られちゃうと思ったら、もう…。






いてもたってもいられないって、このことを言うんだね。





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