俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~

ホワイト クリスマス




この冬初めての雪がふった。










高校は冬休みにはいり、俺は今日も予備校の自習室にいた。


俺が通うクラスは、一番バカなCクラス。


そこの授業すらあまり理解できてない状態。


「…ふぅ」


俺はシャーペンをもつ手を休めて窓の外をみた。


ちらつく雪に、景色がうっすら白くなっていく。


今日はクリスマスイヴ


夜には雪が積もるかも知れない。


俺がちらりと時計をみると針は4時をさしていた。


いつもより人が少ない自習室で俺はもう一度ため息をつく。


「はぁ…」


加奈子と過ごしたかった。


初めてのクリスマスイブ…


だけど


今の俺にはとにかく時間が足りない。


勉強すればする程、自分の馬鹿さ加減を思い知り落ち込む毎日。


高校2年間のブランクがこんなに大きなものだったとは。


あとたった1年で


どこまで理解して記憶できるのか不安になってくる。



「…………」


考えだすと止まらなくなる。


余計な不安に集中力も切れた。


俺は気分転換に外の空気を吸いに行くことにした。


< 204 / 280 >

この作品をシェア

pagetop