恋と魔術のはじめ方
もちろん、ファリナだ。

彼女は観衆の目も気にせず、立ち止まったライラックの前へと勢いよく歩き進む。

ファリナの声に興味があるのか、ライラックは歩みを止め、近づいてくるファリナの方に顔をを向けた。

『ふ〜ん。…お姉さん、弟子にしてほしいんだ…』

ライラックは目の前に立ち止まったファリナを上下に何度か観察するように、見ている。

その視線すらファリナには気にならないようで視線を落とした。

『そう。だから、お願い、わたしを弟子にして!』

少々懇願気味の声色で、ライラックに頼んだ。

…。

しばらく目を瞑り、思考したライラックは、パッと両方のまぶたを開いた。

そして、ゆっくりと口を開く。

『…ひとつ条件をクリアすれば、まぁ、弟子にしてあげてもいいけどね…。…夕方までに、ボクを驚かせるものを何でもいいから、ひとつだけ持ってこれたら、弟子にしてあげるよ…』

瞳を輝かせながらライラックは小悪魔的な顔を見せた。

何か企んでいるに違いないと、周りの観衆もそう思っていた。
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