偽りの僕になりたい

出発

祖母は母親から話を聞いていたらしく、すぐに児童相談所に行き話をしようと言った。

翌日児童相談所に行くと担当の男の人に、体中のあざや傷を写真に撮られた。

そして出た言葉は親戚に引き取ってもらうか児童養護施設に入所するかどちらかしかない。
だった。

俺は悩んだ末、児童養護施設に入所する事を決意した。

親戚に引き取られても父親が連れ戻しに来るかもしれない。

怖かった。

施設に入るなんて本当は絶対に嫌だった。

けれどそれよりも父親の存在が怖かった。
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