俺様婚約者~お見合いからの始まり~
…うわ…。すごい、英語だ…。

悠斗の手にした新聞を呆気に取られながら見ていると、突然それがバサッと下に消えて、その奥の悠斗の顔が私を見た。

…わっ…!

悠斗は銀色の薄い眼鏡をかけている。

わ…、カッコいい…。

思わずそう思いボーッと彼に見惚れる。

「…おい」

は?

彼に呼び掛けられて意識が戻った。

「…何なんだ、さっきから。

人の顔をジロジロ見て…。…何か言いたい事でもあるのか」

…あ、バレていたの。

話なんて…ないわよ。

何だか気になって…。

「………。」

何も答えずに俯いた私を彼は眉をひそめてじっと見ている。

…もしかして…、少し、怒ってる?


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