俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「えっ?!いつ?どこでよ?!」

悠斗は、はあっ、と大きく息を吐くと、

「…やっぱり、覚えてないか」

と言った。

…えっと、四年前って…、十五才よね…。

どうしよう、全く記憶にないわ…。

私があれこれ思い出しながらブツブツ言っていると、悠斗が私の頭にふわりと手を乗せた。

「…いいんだ、自己紹介もしてなかったし。

俺も百合子が鹿島ホームの一人娘だと知ったのは、あのパーティーの後だったしな。」

…パーティー…?

私がそういう場に参加したのは、後にも先にも一度だけ…。

何かの…、祝賀会だったわよね…。

…えっと…。

記憶の隅に追いやられていたその時の事を必死で手繰り寄せる。

確か…、あれは…。

会場の金屏風の上の大きな文字には…。

『澤乃井建設 中国建材工場 完成祝賀会』

………。


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