俺様婚約者~お見合いからの始まり~
やがてエレベーターは二十四階で停止した。

…ん?二十四階…?

悠斗はポケットからカードを一枚取り出すと慣れた手つきで重厚な部屋のドアの、横にある部分に差し込んだ。

ピロリッ…、と鍵の開く機械音がしてカチャリと開いたそこは…。

…ロイヤルスイート。

あの日と同じ光景が目の前に広がる。

あの日…、初めて悠斗と朝を迎えた激しい夜…。

ドサリッ!!

「………!」

感傷に浸る間もなく身体が突き落とされる。

ふと顔を上げると悠斗が上から私を見下ろしていた。

……はっ!!

「ちょっと、悠斗!!
会場に戻らないと!」

慌てて起き上がろうとした私の上半身を悠斗が私の肩を押して突き倒した。

「やっ…!!なにする…!」



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