俺様婚約者~お見合いからの始まり~
悠斗の強い怒りの態度に戸惑いながらも、私自身も、今日の彼の態度に対しては不安な思いをしていた事を思い出し、ムカムカと怒りが込み上げてきていた。

…何よ。
浅香さんは私の事を心配してくれただけじゃない。

不慣れな場所で不安がる私を他所に、優雅に招待客と談笑する悠斗の作り笑顔が頭に浮かぶ。

「なっ、何よっ!
私だって、怒ってるのよ!!
悠斗は、どうせ、…私なんかを紹介するのは恥ずかしいんでしょ!!

あ…、浅香さんの方が、よっぽど悠斗よりも優しかったわ!

素敵な人だったし今から戻ってエスコートして貰おうかしら!!」

私の言葉に悠斗は目を見開いて固まっている。

私は呼吸を荒げながら悠斗を睨み付ける。

二人の間に張りつめた沈黙が漂う…。



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