俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「あの…」

「…は?」

部屋に二人きりにされて十五分。

だんまりでムッスリしていた男が突然口を開いた。

「百合子さん…、でしたね。
…今回のお話は…」

…ああ、そうよね。

いくらお互い家の為とは言え、結婚なんて、考えられないよね。

コイツだってこのルックスだと女の一人や二人、いるだろうし。

ええ、ええ、いいですとも。

分かってるわよ、そんな困った顔しなくても。

…だけど、ちょっと惜しい気もするな、容姿については完璧だし、超好みだから…。

「あの…?」

男がさらに言葉を掛けてくる。

…何…、私に断らせたいの?

アンタが言いなよ、後でお父さんに気に入られなかった、だけ言えば済むんだから。




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