俺様婚約者~お見合いからの始まり~
なっ、何よ、偉そうに。

「ほら、行くぞ」

ぷーっとむくれる私の手を悠斗が無遠慮に繋いで引っ張り、歩き出す。

そのままフロントにたどり着くと彼はこのホテルの最高責任者であるはずの、先ほどの支配人を当然の様に軽く呼び出した。

よっぽどのお得意様なのかしら。

まさか、毎日の様にこのホテルに女性を連れ込んでるとか?

まあ、あり得なくもないわね、モテそうだもの。

そう思っていると、支配人がフロント奥のスタッフルームから飛び出して来た。

「大変お待たせ致しました、澤乃井様。準備が整いましたのでこちらへどうぞ。」

支配人はそう言いながら先に立って歩き出した。

私も悠斗に手を引かれるままに前に進もうとした、その時。

「あら、悠斗!どうしたの?偶然ね」

後ろから声がして私達は揃って振り返った。




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