俺様婚約者~お見合いからの始まり~
なっ…、なっ、何なの、この人!!

話し方とか表情とか、キャラ変わっちゃってきてるし…!

わなわなと震える私の顔に息がかかるほど顔を近付けて男は言った。

「それから…、あなた、じゃなくて、悠斗。澤乃井悠斗。これから末永くよろしく、百合子。」

は?末永く?

しかも馴れ馴れしくいきなり呼び捨て?

驚きと怒りと戸惑いで何も言えずに目を見開いている私に彼はフッと鼻先で笑った。

ちょうどそこへお父さんの秘書を二十年近く勤めている弥生さんが入ってきた。

「…失礼します、お話は弾んでいらっしゃるかしら、百合子さん。

悠斗さんは素敵な方でしょう。

社長も、きっと百合子さんのお気に召すだろうと仰ってたのよ。

悠斗さんは澤乃井建設の次期社長さんになられる方だから鹿島ホームにとっては願ってもない縁談なのよ。

それを澤乃井さんの方から望まれていらしたのだから、百合子さんは幸せだわね」




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