逢わむとぞ思ふ~籠の鳥~
――籠の章――

籠の鳥

[宮琴]


――何が動かしているのか。


分からないこの世。


八原家の姫君、宮琴とは私を示す。


外には出られない。


城の中から街を一望するしか出来ない。


「……姫様」


「何事です?美鶴…」


家来の美鶴。


私より三つ年が上の私に仕える唯一の男。


「何故…外を?」


「私は…早く…」


「え?」


「…いえ。何でも御座いません。下がりなさい」


「…失礼致します」


――逃げたい


…そう、言ってはならない。


私はいつだって…



――籠の鳥。
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