はつこい―最後の恋であるように―
その後俺は、
田野に連絡した。

君は田野が
君に気付いていなかったと
思っているようだったが、
田野の方はどうなのか、
確かめたくなったからだった。



田野と会う場所はいつも決まっていた。
田野の大学の近くの居酒屋だ。

田野は研究に没頭していて、
一日のほとんどを大学で過ごすから、
らしい。

大学卒業後も大学院に進み、
研究を深めるらしい。



いつも通り乾杯を済ませると、
田野はあっさりと言った。


「満島?
会ったよ、バス停で。」
< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop