REAL HOPE Ⅳ
月光にかざしていた指輪。
そこから少し視線をずらした先に見えるのは、一つの外灯とそのしたの影。
いつかもこの景色を見た気がする。
確かあの時、レツから逃げ出した私をずっと待っていてくれたあの雨の日、
この部屋には電気は灯されていないから、あちら側からこっちは見えないだろう
けど、こっちからは見える。外灯の下でしゃがみこんでいるレツが…
こんなに遠いのに……一体どんな顔をしているのか凄くよく分かる。