REAL HOPE Ⅳ



私の母は、恋多き女だった。



というよりは、ただのだらしない女だった。

私はそんな実際の母は知らないし

むしろ覚えてなんていない。




私が生まれたのはほんの母の気まぐれ。



街で出会った父に一瞬だけ、一夜だけの恋をして


そして私が生まれてきた。



母は夜の仕事をしていたと聞いた。そこらでは有名な夜の女だと……



私はそんな小さな存在。




一夜だけ愛し合った父と母の、ちっぽけでくだらない存在




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