REAL HOPE Ⅳ
離れない
しっかり抱き締めあった後、レツが少し腕の力を緩めた事によって私達の間に空間が出来る。
私は見上げるようにしてレツを見つめると
「どうして今日、私の家の前にいたの?」
レツは少しの沈黙の後私の前髪をサイドに流した。
「お前が退院だって聞いたから今日は俺が来た。」
「……今日は?」
何だか少し引っかかる言葉。
“今日は”という単語が不自然な言葉。
レツは珍しく少し焦ったような「やべ!」って顔をすると、
「これには理由がある……」
そう口にした。