REAL HOPE Ⅳ



「たった一時の感情で、お前がうちを捨てるとしよう…」


「……」


「そしたらどうなる?今まで親のスネをかじってた子供が、一人の女を養えるのか?」


「……っ…」


「もしそこのお嬢さんと別れたらどうする?名誉も何もかもを捨てて、お前に何が残る」


「俺は」


「そしてきっと傷付くのはそのお嬢さんだろう。自分のせいで家を捨て、それなのに結局は終わってしまう感情に苦しむのは彼女だろう」



「…………」


「だから子供だと言うんだ。何も考えず、感情に流される子供だと」




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