隣の人形
俺は寺崎を無視することにした。


寺崎は何も言ってこなかった。


俺は姉様の目について思いを馳せることにした、
完璧であった姉。
完璧であった姉が、
人形になって俺を見ていた。



そうだ、
姉は人形になって完璧になったんだ。
何も恐れることはない。



それに俺は、転校生が好きだ。
目が怖いなら―。




「ねえ、無視しないで!」
俺は転校生に話しかけられる。
俺は転校生の目を見る。
なんてこてない、
怖くなんてなかった。
「え、あの」
目を見つめられて、
転校生は後ずさった。

「あんた平気なの!」

転校生は驚いていた。
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