あなたは先生。あたしは生徒。
花の将来
【花】



「じゃあ来週の月曜日までに進路書いて出せよ。ちゃんと親御さんと話し合って真面目に書いて来いよ!!」



進路かぁ…



なにも考えてなかったな。



「夏希はどうするの?」

「あたしは就職かな?服とか売りたい!!」



何とも夏希らしい。



健太はどうすんだろ…



「俺は家継がなきゃいけねぇからな。整備関係の専門行くよ。」



そっか…。



健太の家は車の整備をしてるんだった…。



あたしはどうしよう…。



大和はどうして先生になったのかな?



とくに行きたい大学もないし…。



みんな真面目に考えてるんだね…。



あたしはみんなに取り残された気分のまま家に帰った。



親父に電話してみようかな…。



「あ、花ちゃん?どうしたの?」

「進路の事なんだけどさ…」

「大学?」

「何も決めてなくて…」

「花ちゃんの事だから『結婚する』って言うのかと思ったよ。」

「結婚!?」

「うん。大和と。」

「ナイナイナイナイ!!」

「そうなの?残念だな…。花ちゃんの将来なんだから好きにしていいからね!!」



何の収穫もないまま親父との電話を切った。



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