あなたは先生。あたしは生徒。
【花】



「じゃあ今日は終わり。暗くなって来たから気を付けて帰れよ?」

「はい。じゃあね先生…」



あたしはそう言って席を立つ。



大和に背を向けてドアの方へ向かった。



「柏木!!」



大和があたしを呼ぶ。



「なんですか?」

「ちょっとそこの机直してくんねぇ?」



大和が壁側にある、少し列をはみ出した机を指さした。



「いいですよ?」



あたしは壁側の机に向かう。



大和も近づく。



「んっ…」



大和があたしを壁に押しつけて少し強引にキスをしてきた。



「悪いな。机直してくれてありがと。」



そう言って大和は教室から出て行った。



不意打ちはズルい。



もっとしたかったな…。



動けなくなったあたしはしばらくその場に立ち尽くした。


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