泣き顔にサヨナラのキス
 
 
「……最低」

それ以外に、言葉が出てこなかった。


「そうだな」と言って、欠伸をする原口係長が横目に見えた。


眠いはず、時計は一時を過ぎている。


もう帰らないと。

原口係長にこれ以上、迷惑は掛けられない。


そう想った瞬間、浮かんだのは、抱き合う二人の姿。


胸にズキッと痛みが走る。


それを消すようにバーボンを飲んだ。


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